モンテッソーリ教育は、20世紀初頭のイタリアで、医師であり教育者でもあったマリア・モンテッソーリ博士によって開発され、ローマの子ども達に実践されました。
以来100年以上にわたって、世界中の保育園/幼稚園に広がり、磨かれてきました。
今では世界の110以上の国の20,000を超える保育園/幼稚園で導入されており、日本でも700以上の施設で実践されています。
また、海外ではモンテッソーリ教育理論に基づいた小学校・中学校、さらに高等学校、大学でも多くの学生が学んでいます。
モンテッソーリ教育は、子どもの育ちを良く見つめる(観察する)ことから始まった、子ども中心の保育・教育理論および
保育・教育実践で、以下のような特徴があります。
カトリック幼稚園ではモンテッソ-リ教育を毎日の保育に取り入れています。
各クラスごとに保育室にある教具を使い、自分のしたいことを自分で選び、
最後まで取り組んで後片付けをする自主選択活動です。
教具は日常・感覚・算数・言語・文化の5種類に分かれており、お仕事の前に全員で静粛して
心を静めてから取り組むようにしています。
モンテッソーリ教育では、その保育のことを「お仕事」といいます。
子どもたちは、モンテッソーリの教具、教材に触れることにより、集中力が養われ、欲求が満たされ、心が正常化していきます。
それによって、人格形成へとつながっていく課程から「お仕事」と呼ばれています。
お仕事に取り組んでいるとき、子ども達は真剣な眼差しでとても集中しています。
モンテッソ-リ教育の目的は自分で考え自分を育てること。
「どれがいいかな?」と自分で選び、お友達の様子を見て「これをやってみよう!」と興味を持ち、
「わからない」と疑問を感じて質問し、「一人でできた!」と達成感でいっぱいになり、
「今度はもっと難しいものに挑戦しよう」という意欲へとつながります。
この過程が子どもの成長にとってとても大切であり、大人がやってあげてしまうと
自分ですることの楽しさがわからず考える力が育たなくなってしまいます。
新しい教具の使い方を教えるとき、私達は隣に座り「良く見ていてね。」と言って一度やってみせます。
余計な説明はいらず、子ども達はじっと見つめて覚えていきます。
日常教具は生活に関する教具です。アイロン、洗濯、糸ノコギリでの割り箸切り、紙の図形を針と糸で縫う縫いさし、
米や水のあけ移し、箸で豆を分けるより分けなど正しい使い方を学んだ上で行っています。
子どもたちはお母さんがしているのと同じことが出来るのが嬉しいようです。
感覚教具は筋肉が発達していない幼児が、色々な物に直接触れることで形や色、大きさ、長さなど
五感を働かせることを知る教具です。
アイロンかけ | 洗濯 | より分け | 機織り |
十進法 | 数と玉 | かなくら | 名称カード並べ |
算数教具は数の概念について学ぶことが出来ます。
1~100までをただ覚えるのではなく、どのように数が成り立っているのか、
十進法などを自然に身につけていきます。
言語教具では砂文字・彫り文字板を使い文字をなぞって書き方を知ったり、
カードやミニチュアで知らないものの名前を覚え、文字~単語~文~文章という構成を学びます。
いずれの教具も教え込むのではなく、子ども自身がやってみたいと意欲を持った時点で
保育者は子どもが自分でできるようになるお手伝いをします。
子どもたちは楽しいと毎日同じものを気の済むまで繰り返し行い、難しそうだと真剣に聞き
より難しいものに挑戦しようとします。
自分で出来た時の満足そうな笑顔はとても輝いています。